概要

このガイドでは、正規表現 (regex) パターンを使用してカスタム スキャン ルールを作成し、Universally Unique Identifier (UUID) を照合してマスキングする方法について説明します。たとえば、所属する組織において、内部での識別のために UUID を使用し、追加で次のようなユーザー情報を付加している場合もあるでしょう。

  • ユーザー ID
  • 部署コード
  • ステータス コード

内部ユーザーが UUID とユーザー ID を公開せずにこれらのログにアクセスできるようにしたい場合は、カスタム スキャン ルールを作成して情報をマスキングすることができます。

UUID 照合のためのカスタム ルールの設定

このガイドでは、内部識別子の例として 01e2402104ca99-8641-43ba-b499-642610-0012 を使用します。

  • 01e2402104ca99-8641-43ba-b499 が UUID です。
  • 6462610 は、ID をバイト形式で表す 6 桁の値です。
  • 0012 は、ユーザーの 2 桁の部署コードと 2 桁のステータス コードを合わせたものです。
    • 00 はアクティブ ユーザーに使用されます。
    • 12 は部署コードです。

この例では、識別子の例 (01e2402104ca99-8641-43ba-b499-642610-0012) をそのままの形式で照合した後、以下の処理を行います。

  • UUID、ユーザー ID、バイト形式の ID をマスキングする。
  • ただし、ユーザーの部署コードとステータス コードはマスキングしない。

次の基本的な正規表現を使って、マスキングしたい UUID とユーザー ID を照合することができます。

[a-z0-9]{14}-\d{4}-[a-z0-9]{4}-[a-z0-9]{4}-\d{6}
  1. Sensitive Data Scanner 設定ページに移動します。
  2. Add をクリックし、Add Scanning Rule を選択します。
  3. Custom Rule をクリックします。
  4. このルールを追加したいスキャン グループを選択します。
  5. ルールの名前を入力します。
  6. ルールの優先順位を選択します。
  7. ルールの説明を入力します。
  8. Match conditions セクションで、正規表現フィールドに [a-z0-9]{14}-\d{4}-[a-z0-9]{4}-[a-z0-9]{4}-\d{6} を入力します。
    UUID とユーザー ID が一致していることを示す正規表現のテスト セクション
  9. キーワード辞書を使用して、検出精度を向上させ、誤検出を回避します。この例では、user という単語から 10 文字以内で一致させます。
    1. キーワードとして user を入力します。
    2. Characters before match には 10 を入力します。
  10. この例では、Action on Match セクションを次のように設定します。
  11. イベントをどの程度スキャンするかについては、Entire Event を選択します。Grok Parser を使用してログを解析している場合は、特定の属性でスキャンできます。
    1. 一致した場合のアクションは、Redact を選択します。
    2. 置換後のテキストに [removed] を入力します。
    3. Add tags フィールドに matched_on:user_id を入力します。
  12. Add rule をクリックします。

例として、UUID のさまざまな構成要素を含む次のログが Datadog に送信された場合:

2024-11-14 14:20:22 INFO [transaction-logger] 200 OK shoe:200.000, pen:42.95. iron, 221.55, tasty-sandwich:10.95, big-coffee:11.95, user.name:fred91, user.id:01e2402104ca99-8641-43ba-b499-642610-0012, user.email:fred.jones@scooby.com function:transaction-complete.js, payment.ccn:1111-1111-1111-1111, payment.ccexp:10/30}

結果は、user.id がマスキングされ、[removed] に置き換えられます。

UUID とユーザー ID がマスキングされ、`removed` に置き換えられたログ イベントの様子

参考資料

お役に立つドキュメント、リンクや記事: