概要
Sheets は、Datadog データを用いてスプレッドシートを作成できるツールで、技術的な専門知識を必要とせずに複雑な分析やレポート作成を行うことができます。これにより、ルックアップ、ピボットテーブル、計算など、慣れ親しんだスプレッドシート機能を Datadog データで活用できるため、データをエクスポートして古いデータで他のツールを使用する必要がなくなります。
Sheets を使えば、ログ、RUM (Real User Monitoring)、およびクラウドコスト監視から取得したデータを、使い慣れたスプレッドシートインターフェイス内で操作・変換・分析することが可能です。次のタブを含めることができます。
- Table (テーブル): Datadog データソースからライブデータをクエリして、計算列、ルックアップ、フィルターでエンリッチします。
- Pivot (ピボット): カスタムディメンションとカスタム計算を使用して、テーブルのデータを要約および集計します。
- Sheet (シート)(プレビュー): まっさらな状態の柔軟なスプレッドシートで、テーブルのデータを直接参照する数式を記述して、モデルやレポートを作成したり、運用状況を追跡したりできます。
テーブル
はじめに、Sheets から新規にクエリを作成するか、Logs、RUM、Metrics、Cloud Cost などのエクスプローラーページからクエリを転送して、データのテーブルを作成します。
Sheets で新しいテーブルを追加する
- Datadog Sheets のページで、[New Spreadsheet] (新規スプレッドシート) をクリックします。
- [Add Data] (データを追加) をクリックします。
注: 必要なデータソースが利用できない場合は、こちらからリクエストしてください。 - クエリの作成を開始するには、データソースを選択し、フィルタリングパラメーターを追加します。
- 表示したい列を選択し、結果として生成されるテーブルをプレビューします。
- [Create Table] (テーブルを作成) をクリックします。
クエリをスプレッドシートに転送する
- 対応製品 (Log Explorer など) のページで、分析したいデータのクエリを作成します。たとえば、
status:error を持つログのみをフィルタリングします。 - [Open in Sheets] (Sheets で開く) をクリックします。テーブルを作成できる製品ページのリストについては、サポートされているデータソースセクションを参照してください。
- [New Spreadsheet] で新しいスプレッドシートを作成することも、[Existing Spreadsheet] (既存のスプレッドシート) で既存のスプレッドシートにこのテーブルを追加することもできます。
- [Save and Open] (保存して開く) をクリックします。
計算列
計算列を使用して、数式の追加、ログメッセージのパース、正規表現の抽出、またはデータへのビジネスロジックの追加を行うことができます。計算列は、後で作成するピボットテーブルで使用できます。
テーブルの最も右側の列ヘッダーから、プラスアイコンをクリックして [Add calculated column] (計算列を追加) を選択します。関数を入力すると、その関数の構文と説明が表示されます。サポートされている関数の完全なリストについては、関数と演算子を参照してください。
ルックアップ
ルックアップは、既存のデータをエンリッチして、テーブルに詳細なコンテキストを追加します。ページ上部の [Add Lookup] (ルックアップを追加) をクリックして、リファレンステーブル、ログ、RUM データなどの別のテーブルやデータソースから列を追加します。ルックアップは、Excel や Google スプレッドシートの左結合や vlookup に似ています。共通の列でレコードを照合し、追加のデータ列を返して既存の Sheets テーブルをエンリッチします。
たとえば、ユーザーのメールアドレスを含む RUM データのテーブルがあり、これらのユーザーがどのチームに所属しているかを知りたいとします。この場合、そのテーブル内のユーザーのメールアドレスの列と、リファレンステーブル内の仕事用メールアドレスの列を比較するルックアップを追加できます。ルックアップは、リファレンステーブルからチームを取得し、新しい列としてスプレッドシートに追加します。
ピボット
スプレッドシートにテーブルを追加した後、ピボットテーブルを使用して生データを分析し、コンテキストを追加します。ピボットテーブルを使用すると、大量のデータを要約して、カスタムテーブルに整理できます。これにより、データを分析してパターンや傾向を見つけ、比較を行うことができます。たとえば 100 行のテーブルがある場合、ピボットテーブルを使用すれば、そのデータをメソッドや地域ごとにカウントした要約テーブルにまとめることができます。ピボットテーブルを作成するには、次の手順を実行します。
- すでにテーブルがあるスプレッドシートで、[Add Pivot Table] (ピボットテーブルを追加) をクリックします。
- [Rows] (行) セクションと [Columns] (列) セクションで、分析するディメンション (ログのステータスなど) を選択します。
- [Calculations] (計算) セクションで、計算に使用するディメンション (合計、平均、カウント、最小値、最大値など) を選択します。
可視化
ピボットテーブルを作成した後、[Show Graphs] (グラフを表示) をクリックして、データをグラフ化するウィジェットを 6 つまで追加できます。サポートされているウィジェットタイプには、Top List (トップリスト)、Treemap (ツリーマップ)、Pie Chart (円グラフ) があります。ウィジェットのタイトルにカーソルを合わせると、ウィジェットの削除、複製、展開、エクスポート、再配置を行えます。ウィジェットを編集するには、鉛筆アイコンをクリックします。編集オプションでは、ウィジェットタイプの選択、グラフ化するピボット計算の選択 (複数ある場合)、行、列、および行または列ごとにグラフ化するグループ数の指定が可能です。
シート (プレビュー)
Join the Preview!
柔軟なスプレッドシートを作成します。ゼロから開始する、モデルを構築する、運用状況を追跡するなど、さまざまな用途に対応しています。
Request Accessシートは、まっさらな状態の柔軟なスプレッドシートで、完全な数式エンジンを備えています。シートを使用すると、財務モデル、運用トラッカー、計画テンプレート、またはクエリベースのワークフローに適合しない自由形式の計算を作成できます。
シートを追加するには、スプレッドシートの下部にある [+] タブをクリックし、[Add Sheet] (シートを追加) を選択します。
セル参照
セルは標準の A1 表記を使用して参照されます。列は文字、行は数字で表されます。たとえば、A1 は最初のセル、B3 は B 列の 3 行目、A1:C5 は A 列から C 列、1 行目から 5 行目にわたる範囲です。
| 参照タイプ | 構文 | 説明 |
|---|
| 相対セル | A1 | 数式を別のセルにコピーすると調整されます |
| 絶対セル | $A$1 | 常に同じセルを参照します |
| 絶対列、相対行 | $A1 | 列は固定され、行は調整されます |
| 相対列、絶対行 | A$1 | 行は固定され、列は調整されます |
| 範囲 | A1:C5 | A1 から C5 までのすべてのセル |
シート間参照
同じスプレッドシート内の他のタブにあるデータを、数式で直接参照できます。シート名の後に感嘆符を付け、その後にセルまたは範囲を指定します。
='My Table'!A1
='Summary'!B2:B20
テーブルタブの特定の列を名前で参照するには、# 記法を使用します。
='Error Logs'#"duration_ms"
='Table 1'#"status"
たとえば =SUM('Error Logs'#"duration_ms") は、Error Logs テーブルの duration_ms 列にあるすべての値を合計します。
シートの数式は、関数と演算子ページに記載されているすべての関数に加え、シートでのみ利用可能なルックアップ、統計、財務、その他の関数を追加でサポートしています。全リストについては、シート関数セクションを参照してください。
例
シート内のテーブル列の集計
“Error Logs”というテーブルタブの duration_ms 列にあるすべての値を合計します。
=SUM('Error Logs'#"duration_ms")
そのテーブルで status = "error" を持つ行の数をカウントします。
=COUNTIF('Error Logs'#"status","error")
フォールバックを使用した安全なルックアップ
リファレンステーブルからユーザーのチームをルックアップし、見つからない場合は“unknown”を返します。
=IFNA(VLOOKUP(A2,'User Directory'!A:B,2,0),"unknown")
インシデント発生からの日数
A2 のタイムスタンプに基づいて、インシデントが開かれてからどれくらい経過したかを計算します。
=DATEDIF(A2,TODAY(),"D")&" days ago"
テーブルからの p95 レイテンシー
接続されたテーブルから応答時間の 95 パーセンタイルを取得します。
=PERCENTILE('APM Data'#"duration",0.95)
値を重大度レベルに分類
=IFS(A2>500,"critical",A2>200,"warn",A2>0,"ok",TRUE,"no data")
月々のローン返済額
年利が 6% で返済期間が 3 年の 50,000 ドルのローンについて月々の支払額を計算します。
エラー値
| エラー | 原因 | 対処方法 |
|---|
#DIV/0! | 0 による除算 | =IFERROR(A1/B1,0) |
#VALUE! | 引数の型が正しくない (数学関数にテキストが渡された場合など) | 入力の型を確認する |
#NUM! | 無効な数値。例: SQRT(-1) | IF |
#N/A | 値が見つからない (失敗した VLOOKUP | =IFNA(VLOOKUP(...),"not found") |
#REF! | 存在しなくなったセルへの参照 | 数式を更新する |
#NAME? | 認識できない関数名 | スペルを確認する |
#ERROR! | 数式をパースできない | 構文を確認する |
セルは、プレーンテキスト、数値、パーセンテージ、通貨 (USD または EUR)、または日時にフォーマットできます。フォーマットは値の表示方法に影響しますが、計算に使用される基の値には影響しません。
制限事項
シートには、行数と列数に関して以下の制限があります。
| ディメンション | デフォルト | 最大値 |
|---|
| 行 | 1,000 | 2,000 |
| 列 | 26 | 52 |
サポートされているデータソース
高度なデータソース
まだ利用できないデータソースをクエリしたい場合は、このフォームを使用してリクエストを送信してください。
Request Access以下のデータソースから取得したデータでテーブルを作成し、分析を行うことができます。
スプレッドシートの構成
権限
デフォルトでは、すべてのユーザーがスプレッドシートにフルアクセスできます。
きめ細かいアクセス制御を使用して、特定のスプレッドシートを編集できるロールを制限することができます。
- スプレッドシートの表示中に、右上の歯車アイコンをクリックします。設定メニューが開きます。
- [Permissions] (権限) を選択します。
- [Restrict Access] (アクセス制限) をクリックします。ダイアログボックスが更新され、組織のメンバーはデフォルトで [Viewer] (閲覧者) アクセス権を付与されていることが表示されます。
- ドロップダウンを使用して、スプレッドシートを編集できる 1 つまたは複数のロール、チーム、ユーザーを選択します。
- [Add] (追加) をクリックします。ダイアログボックスが更新され、選択したロールに [Editor] (編集者) 権限があることが表示されます。
- [Save] (保存) をクリックします。
注: 自分の編集権限を保持するため、保存前に必ず自分が所属するロールを少なくとも 1 つ追加してください。
制限されたスプレッドシートへの全体アクセスを復元するには、編集権限が必要です。以下のステップを完了します。
- スプレッドシートの表示中に、右上の歯車アイコンをクリックします。設定メニューが開きます。
- [Permissions] (権限) を選択します。
- [Restore Full Access] (フルアクセスを回復) をクリックします。
- [Save] (保存) をクリックします。
参考資料