Oracle Cloud Infrastructure (OCI) の利用開始
概要
このガイドでは、Oracle Cloud Infrastructure (OCI) 環境の監視を始める手順を紹介します。Datadog の QuickStart セットアップを使うと、インテグレーション作業をシンプルに進められ、OCI テナンシからメトリクス、ログ、リソース データを収集するために必要な基盤を自動で用意できます。
OCI 側
OCI ユーザー アカウントには、以下が必要です:
- Identity Domain Administrator ロール
- Identity Domain でユーザー、ユーザー グループ、動的グループを作成できること
- ルート コンパートメントでポリシーを作成できること
さらに、次の条件も満たしてください:
- インテグレーション対象のテナンシにログインしていること
- OCI コンソールで Home Region が選択されていること
注: OCI インテグレーションは、1 つのテナンシにつき 1 つまでに制限されています。2026 年 1 月 1 日時点で存在していた OCI Commercial リージョン (OC1 realm) はすべてサポートされています。
Datadog 側
API キーおよびアプリケーション キーを作成する権限 を持つ Datadog アカウント。
セットアップ
OCI 向け Datadog QuickStart は、必要な基盤をテナンシ内に一式展開するフル マネージドのセットアップ方式です。このセットアップでは、Oracle Service Connector Hub を自動作成してメトリクスとログを Datadog にストリーミングし、環境の拡大にあわせて新しいリソースやコンパートメントも継続的に検出します。
注: 開始前に、Service Connector Hub の サービス制限引き上げを申請する ことを検討してください。必要なおおよその数は次のとおりです:
$$\text"Service Connector Hubs" = \text"テナンシ内のコンパートメント数" / \text"5"$$
Datadog OCI インテグレーション タイルを設定する
Datadog OCI インテグレーション タイル に移動し、Add New Tenancy をクリックします。
インテグレーションで使用する Datadog API キーを選択するか、新しく作成します。
Datadog アプリケーション キーを作成します。
トグルを使ってログを有効または無効にします。
Create OCI Stack をクリックします。OCI コンソールの Oracle Resource Manager が開き、デプロイを完了できます。
注: このスタックのデプロイは、テナンシごとに 1 回だけ実行してください。
QuickStart ORM スタックをデプロイする
OCI コンソールで Oracle Terms of Use に同意します。
カスタム Terraform プロバイダーを使うオプションはチェックしないままにします。
既定の作業ディレクトリをそのまま使うか、必要に応じて別のものを選びます。
Next をクリックします。
(Optional) Choose specific subnet(s) セクションは空欄のままにします。QuickStart は各リージョンに新しい Virtual Cloud Network (VCN) とサブネットを自動で作成するため、これが最も簡単な構成です。
高度なオプション: 既存のサブネットを使う場合 (OCI リージョンごとに最大 1 つ)、サブネットの OCID を 1 行に 1 つずつ指定します。カンマは不要です。形式: ocid1.subnet.oc[0-9].*。例: ocid1.subnet.oc1.iad.abcedfgh。
既存のサブネットを使う場合は、各 VCN に対して、NAT Gateway 経由の HTTP 外向き通信、“All Services In Oracle Services Network” 向けの Service Gateway、適切なルート テーブル ルール、HTTP リクエストを許可するセキュリティ ルールが設定されていることを確認してください。
(Optional) Choose a User セクションは空欄のままにします。QuickStart が現在の OCI Identity Domain に新しい Group と User を作成するため、IAM の設定を簡単に進められます。
高度なオプション: 既存の Group と User を使う場合は、Group ID と User ID の両方の OCID を入力します。このユーザーは、指定したグループのメンバーである必要があります。
(Optional) Advanced configuration セクションは、多くのケースでは空欄のままで問題ありません。
高度なオプション:
- Compartment: Datadog が作成するリソースの配置先として既存のコンパートメントを指定します (既定では新しい “Datadog” コンパートメントが作成されます)。
- Domain: User と Group の作成先を上書きする Identity Domain の OCID を指定します。その Domain で Identity Domain Administrator ロールが必要です。
Next をクリックします。
Create をクリックし、デプロイが完了するまで最大 30 分待ちます。
Datadog 側でセットアップを完了する
Datadog OCI インテグレーション タイル に戻り、Ready! をクリックします。
検証
データの収集が始まるまで最大 10 分待ってから、Datadog の OCI インテグレーション概要ダッシュボード または Metrics Explorer ページ で oci.* メトリクスを確認します。
OCI Functions のメトリクス (oci.faas ネームスペース) とコンテナ インスタンスのメトリクス (oci_computecontainerinstance ネームスペース) は Preview 提供中です。
設定
セットアップが完了すると、Datadog OCI インテグレーション タイル の左側で、そのテナンシ用の設定タブが使えるようになります。以下の手順に沿って、テナンシ全体のデータ収集設定を適用してください。
リージョンを追加する
General タブで、Regions チェック ボックスの一覧からデータ収集対象のリージョンを選択します。ここでのリージョン選択は、メトリクスとログの両方について、テナンシ全体に適用されます。
注: QuickStart セットアップを使った後で新しい OCI リージョンをサブスクライブした場合は、ORM で初回セットアップ スタックを再適用してください。すると、その新しいリージョンが Datadog OCI タイルで利用できるようになります。
メトリクスとログの収集
Metric collection タブと Log collection タブでは、どのメトリクスとログを Datadog に送るかを設定できます。
注: フィルターは次の順序で評価されます。まず Selected Services がサービスごとのデータ収集の主スイッチとして機能し、その後にコンパートメント タグ フィルター、最後にリソース タグ フィルターが適用されます。
すべての収集を有効または無効にする
メトリクス収集タブとログ収集タブのどちらにも、そのデータ種別についてテナンシ全体の収集を無効にできるメイン トグルがあります。
特定の OCI サービスに収集対象を絞る
Selected Services セクションでは、個々の OCI サービスごとに収集を有効または無効にできます。あるサービスを無効にすると、そのサービスについては、設定済みのリソース タグ フィルターの内容にかかわらず、すべての収集が停止します。サービスが有効になっている場合は、リソース タグ フィルターで、そのサービス内の特定リソースだけに収集対象をさらに絞り込めます。一致する包含タグがないリソースは除外されます。
注: サービス トグルの変更が反映されるまで、最大 5 分かかる場合があります。
Compartment Tags セクションと Limit Collection to Specific Resources セクションでは、カンマ区切りの key:value 形式の OCI タグを指定できます。否定条件にする場合は、タグの先頭に ! を付けます。カンマ区切りの解釈は、使用しているタグの種類によって異なります:
- 正のタグのみ: OR 条件 - 一覧にあるタグの いずれか を OCI オブジェクトが持っていれば含めます。
- 負のタグのみ (
! を接頭辞として付与): OR 条件 - 否定したタグの いずれか が存在すれば除外します。 - 正のタグと負のタグを混在: AND 条件 - 含めるには、列挙した条件を すべて 満たす必要があります。
例:
datadog:monitored,env:prod*: いずれか のタグがあれば含めます。
!env:staging,!testing:true: いずれか のタグがあれば除外します。
datadog:monitored,!region:us-phoenix-1: datadog:monitored タグが存在し、かつ region:us-phoenix-1 タグがない場合にのみ含めます。
コンパートメント単位で収集を絞り込む
Compartment Tags セクションでは、OCI コンパートメントのタグに基づいて、特定のコンパートメントを含めたり除外したりできます。構文については、タグ フィルターの構文 を参照してください。
注: OCI では、タグは子コンパートメントに継承されません。各コンパートメントに個別にタグを付ける必要があります。OCI 側でタグを変更してから Datadog に反映されるまで、最大 15 分かかる場合があります。
特定のリソースだけを収集対象にする
Limit Collection to Specific Resources セクションでは、どのリソースからメトリクスまたはログを Datadog に送るかを定義できます。ドロップダウンから OCI サービスを選び、対象にしたいリソース タグを指定します。構文については、タグ フィルターの構文 を参照してください。
リソース収集
Datadog OCI インテグレーション タイル の Resource Collection タブで、Enable Resource Collection トグルをクリックします。収集されたリソースは Datadog Resource Catalog で確認できます。
Datadog プラットフォームをさらに活用する
Agent を導入して可視性をさらに高める
OCI インテグレーションでは Oracle Cloud Monitoring を通じてサービス レベルのメトリクスを自動収集できますが、コンピュート インスタンスに Datadog Agent をインストールすると、インフラとアプリケーションをより深く把握できるようになります:
- システム レベルのメトリクス: CPU、メモリ、ディスク、ネットワークをサブ秒粒度で確認できます。
- プロセス レベルの可視化: アプリケーションごとのリソース消費を把握できます。
- カスタム メトリクス: DogStatsD を通じてアプリケーションから送信できます。
- 分散トレース: リクエストをエンド ツー エンドで追跡できます。
- ログ: メトリクスと関連付けて、トラブルシュートをより素早く進められます。
Agent は、Oracle Linux を含むほとんどの OS で単一コマンドでインストールできます。手順は Agent インストール ページ を参照してください。導入メリットの詳細は、クラウド インスタンスに Agent をインストールすべき理由 で確認できます。
OCI Kubernetes Engine (OKE) で Datadog Agent を使う
OKE 上のコンテナ化された環境では、Kubernetes 向け Datadog Agent を利用できます。専用の Kubernetes ドキュメントを参照し、OKE クラスターに Agent をデプロイして、コンテナ化されたアプリケーションからメトリクス、ログ、トレースを収集してください。
関連サービスを確認する
GPU 監視
OCI の GPU インスタンスを監視することは、高性能コンピューティング ワークロードの性能と信頼性を最適な状態に保つうえで重要です。OCI GPU インテグレーション では、gpu_infrastructure_health ネームスペースを通じて包括的な GPU メトリクスを取得でき、GPU インスタンス の健全性、容量、スループット、ステータス、パフォーマンスを追跡できます。
OCI インテグレーションを設定した後は、GPU 関連のネームスペースがメトリクス収集設定に含まれていることを確認してください。GPU 基盤の全体像は、OCI GPU Overview ダッシュボード を参照してください (このダッシュボードは OCI GPU インテグレーションのセットアップ時に自動作成されます)。
Cloud Cost Management
Datadog の Oracle Cloud Cost Management を使うと、インフラ変更がコストに与える影響をエンジニアリング チームや財務チームが把握しやすくなり、組織全体への支出配分や改善余地の特定に役立ちます。
OCI で Cloud Cost Management を有効にするには:
- 上記の説明に従って OCI インテグレーションを構成済みであることを確認します。
- コスト データ収集を有効にするため、Oracle Cloud Cost Management ドキュメント にあるセットアップ手順に従います。
Cloud SIEM
Cloud SIEM は、すぐに使えるインテグレーションとルールを活用し、運用ログとセキュリティ ログをリアルタイムに分析して脅威を検出・調査します。
OCI 環境で Cloud SIEM を使うには:
- OCI インテグレーションの設定で、ログ収集が有効になっていることを確認します。
- 脅威検出を設定するため、Cloud SIEM の利用開始 を確認します。
- OCI 向けの個別ログ ソースとセキュリティ ルールを設定するため、Cloud SIEM 向け OCI 構成ガイド に従います。
Cloud SIEM は、OCI のログを分析して次のような事象を検出します:
- 未許可のアクセス試行
- 不審な API コール
- セキュリティ リスクを招く可能性のある設定変更
- コンプライアンス違反
トラブルシューティング
OCI インテグレーションで問題が発生した場合は、OCI インテグレーションのトラブルシューティング ガイド を参照してください。
サポートが必要な場合は、Datadog サポート にお問い合わせください。
参考資料